目次
●映画館に行かない
私、映画館にはもう行かないかもしれない。
映画館に行って2時間も座りっぱなしで「全然面白くなかった」ってなるのが無理だから。
Amazonプライムなど動画サービス系を使えば、家でダラダラ観れるし、誰にも邪魔されない。だからお金と時間使ってわざわざ観にいく必要性を感じない。
というか映画を見ること自体が、受動的な娯楽の代表のようで「暇つぶし」にしか思えない。と言いつつも…
名作と言われる映画は結構観てるんですよね(笑)
自称映画好きという同い年の男子とかと話すと、だいたい私の方が名作映画を観ていて、映画に関する意見を持っています。
映画好きの人って、新しい映画は公開日に観てて、数こなしてるけど、映画を観ての感想なり意見が希薄な気がする。
「メモの魔力」の前田裕二さん風にいうと「抽象化」や「転用」がされておらず「あの映画はやばかった」「めっちゃ面白かった」で終わってる。
映画や音楽は、自分なりの抽象化や転用ができれば、価値のある「教養」になるが、映像やリズムを追うだけではただの「娯楽」となる。とつくづく感じる。
だから私は自分が感じた2001年宇宙の旅の感想を抽象化し、転用してみようと思う。
●何回も観た「2001年宇宙の旅」
スタンリー・キューブリックの映画はいくらでも観れる。
特に「2001年宇宙の旅」は何回も繰り返して観てます。1週間連続で毎日観たこともあるくらい。
何回観ても飽きない理由①映像美
その理由は「映像の美しさ」にあると思います。
50年前に作られたとは到底思えない映像の細かさ、「左右対称」の世界。
どこで一時停止ボタンを押しても綺麗な映像なんです。
気持ち悪いくらいシンメトリー





ふつくしい…!!!
キューブリックの映画って他の映画に比べて、吸い込まれるように集中して観てしまう。
シンメトリーなだけでなく、一点透視図法という遠近法の一種を使ってるらしい。キューブリックの作品は大体、中央に消失点があり、その消失点に向かって線をかくことができる。
消失点から人が歩いてきたり、消失点に向かって人やものが進んでいったりする。吸い込まれそうな感覚を持つのはこの遠近法が関係しているのかな?

キューブリックの「一点透視図法」を集めた動画がこちら
シンメトリーと遠近法によって作られた整然とした世界がなんとなく「恐ろしい」「怖い」と感じるのは、綺麗すぎるからなのか?
何回観ても飽きない理由②音楽
「2001年宇宙の旅」には有名なクラシック音楽が多用されている。
クラシックのPVか?と思うほど。セリフはなく、音楽と映像が淡々と流れる。
原作の小説では、主人公の宇宙飛行士ボウマンが1人で土星(映画では木星)に向かうときに一生クラシック聴いてるんですよね。
正直、クラシックって好きだけど結構辛気臭くて、クラシックをずっと聴くの難しい。「はよサビ来て!」ってなるんですけど。
土星に向かう、という気が遠くなって死にそうなくらい長い時間においては、クラシックみたいな歌詞のない、捉えどころのない曲を聴いて音楽の深淵を辿るのがちょうど良いのかもしれない…
哲学すぎ
「2001年宇宙の旅」で使われてるのは「ツァラトゥストラはかく語りき」「美しく青きドナウ」「花のワルツ」「アダージョ」
宇宙空間で、宇宙ステーションがくるくる回ったり、宇宙船が飛行する美しさとクラシック音楽がマッチしていて心地いい。
特にCAが機内食を運ぶシーンは、実際にあった「パン・アメリカン航空」のCAをモチーフにしている。CAが機内を歩くだけの映像も、クラシックの優雅な音楽が合わさるだけで、ダンス映像を観ているかのような満足感を感じさせる。
「観せる」だけでなく「聴かせる」ことで五感に働きかけ、グッと映画に観客を引き込むということでしょうかねぇ…
多分、この映画の映像がどんなに美しくても、セリフのないシーンが延々に続くと飽きると思う。退屈を回避する為にも音楽は重要だったと思う。
あと「宇宙服を着たまま喋る時の息の音」もなんか癖になる。ダースベーダーの「コーッコーッ」とかもたまに聴きたくなるじゃないですか(笑)
●「2001年宇宙の旅」からの学び
「2001年宇宙の旅」を初めて観た時は正直いうと意味不明でした。クラシック音楽が心地いいなぁ、とか映像が綺麗だなぁとは思いました。
ただ、抽象的な表現や最後の「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れるシーンの映像から溢れる「ドヤァ感」が気になって、原作を読みました。
「2001年宇宙の旅」では、月を見るもの「ムーンウォッチャー」がモノリスに出会い、道具を使うようになり、人類は発展していきます。
映画の冒頭12分で、この猿のくだりが台詞なしで流れます。比較的この「2001年宇宙の旅」の中では意味がわかりやすいシーンですね。
「月を見るもの」と他の猿の違い
「月を見るもの」が道具を使えるようになった理由はなにか?
これは紛れもなく、モノリスの力のおかげ
だけど、「月を見るもの」のようにモノリスからの信号を受け取り、道具を使えるようになる猿もいれば、そうでない猿もいる。
石を手に取り、イノシシを倒すことを試みたのは「月を見るもの」のみ。だが、他の猿は「月を見るもの」が成功した結果を見て真似をするようになる。

「月を見るもの」のように失敗を繰り返しながら「道具を使う」といった新しい試みをする者と、「道具を使ってうまくいった例」を見てから「道具を使うようになる」者がいる。
その違いは何か?
この猿たちは飢えていた。その飢えのせいで頭の中は「空腹」でいっぱいだった。しかしモノリスの出現により「今までやったことのない動き」「見たことのない世界」を見たり、体感する。
「月を見るもの」はヒトの家族がたらふくご飯を食べてゲップする映像を見せられ、円盤に向かって石を投げる動作をさせられる。
そこで「ヒトの生活に激しく嫉妬し渇望」すると同時に、「石を円盤に命中させる快感」を体感する。
そしてその後、イボイノシシに石のハンマーを振り下ろし、初めての狩りに成功する。
モノリスは現代で言えばいわば「情報」。情報社会で誰もがスマホを持つ時代。モノリスはそこら中に転がっているんだ、ということに気づく。
ここまでが「2001年宇宙の旅」を見た私の解釈、いわば抽象化です。
●ミニマリストが私のモノリスだった
私のモノリスは「ミニマリスト」という概念だったと思う。
冷蔵庫を持たない生活、手ぶらで通勤する人…
なにこの概念、「たくさん稼いで、なんでも手に入れる幸せ」が幸せじゃないのかよ…
ミニマリスト思考を取り入れて訪れた変化
「行動力が増した」
もともと、おとなしいけど割と行動的な性格ではあった。
そこに来てミニマリストという概念と出会い、荷物・無駄な出費・無駄な迷いを減らした結果、
お金・時間・心のゆとりができて行動力 爆上がり
1人で海外旅行行ったり、1年に2回も転職したり、ブログ始めたり…
「やってみたいな〜」と思ったことは全部やってしまう性格になった。
「やってみたいな」と思った時すでに行動は終わってるんですよね。
「モノや無駄なことを減らす」ことで「幸福度が増す」不思議

選択と集中を繰り返して自分のご機嫌をとる
ミニマリストしぶさんの「手ぶらで生きる」の中で「ミニマリストは選択と集中の美学」と言われている部分があります。
大共感。自分は何を選択して何に集中力を注ぐのか?ということをひたすら考えて行動し続けるのがミニマリストだと思う。
「2001年宇宙の旅」の「月を見るもの」のように、空腹を運命に任せず、満腹を目指す。「お腹すいたなぁ」「たらふく食べてゲップなんかしやがって」を原動力に行動し続ける。
自ら行動し続ければ、結果はよくも悪くも付いてくる。
誰かが成功したのを見てから真似してるだけでは、誰かのやったことを追いかけるだけでは、自分は満足しない。
だから一度、モノや人間関係など身の回りの全ての事柄を最小限まで減らして、その状態でやりたいと思うことを全部やってみると良いと思う。
すると自分がどうすれば満足するのか?自分のご機嫌をとる方法がわかる。
●「2001年宇宙の旅」の転用
最後に、ミニマリストである私が、「2001年宇宙の旅」を観て考えた「転用」を述べる。
転用:モノリスから得たものを「行動」に移せば「月を見るもの」になれる。
私にとってのモノリスはミニマリストだった。このままミニマリストを続けて、選択と集中を繰り返す行動を続けよう。
また、何か違うと感じた時は、著名なミニマリストの模倣をしているだけの可能性があるから、真似になっていないか俯瞰しよう。
●「2001年宇宙の旅」どうやって観る?
映画は50年前に撮影されたものですが、宇宙をテーマにした映画の中ではダントツぶっちぎりで1番の出来だと思う。
というか宇宙映画の枠ではないよね?もう哲学の域だよね?
去年、ブルーレイ再販に向けて出された予告編もかっこいい
でも、動画配信サービス使っても安いしいいよね〜
「2001年宇宙の旅」の続編に「2010年」というこれまたアーサー・C・クラーク原作の映画もあるので、そちらも必見。
Hulu

amazon prime会員ならAmazon prime videoが最強。
これは映画だけ観ると、はっきり言って意味不明です。原作と合わせて読むと少しスッキリします。キューブリックもアーサー・C・クラークも天才。
おとっち
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